新疆旅行記

2019GWの新疆旅行記です

2019.4.30:3日目:ホータン観光

朝6時にホータンのホテルにチェックイン後、しばし休憩。昼から少し外へ。

 

中心地のはずなんですが、なんとなく漢族が多い気がします。

漢族とウイグル族は居住エリアが分かれてることが多いからなあ、あと時間帯にもよるしな、と思っていたら、中心地の真下に超長い地下街があって、ウイグルお姉さんたちがゾロゾロ歩いてました。

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水平軸と時間軸については考慮していたものの、垂直軸は盲点でした。

昨日のヤルカンドも数分しか見れてないので、街の様子は一概には言えません。

 

とりあえず、明日のウルムチ行きの切符でも買っとこうかな、と長距離バスターミナルへ。

 

バスターミナルって、普通どこも賑わってるのに、閑散としてます。

ヒマそうな荷物検査の人たちに聞いてみたら、鉄道が開通してからめっきり客が減ったとのこと。

でもホータン・ウルムチ間は、バスの方が便利が良いと思うんですが。人の移動自体も減ってるんだろうか。

 

地球の歩き方には90分に1本と書いてたホータン・ウルムチ間のバスは、今日は2本、明日は1本のみとのこと。

よかった。今日のうちに買いにきて。

 

外国人客多いか聞いたら、さっきも日本人が2人アクスに行ったとのこと。へえ。

 

タクシーでホテルに戻ります。が、途中で警察に止められて、ボンネットから何から全部開けられました。噂には聞いていたが本当にやってるんだ。

ボンネットの中なんかに、いったい何を入れるというんですかね。まあ、「自爆テロ用の爆弾とか入ってないか」ということなんでしょうけど。

 

景気付けに昼からビール。

グラスがないのか、お椀で飲まされました。

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観光地でもない普通の食堂のはずですが、物価が高い気がします。10年前より倍くらいになっている感覚。

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でもまあ、こんなもんなんでしょう。

この20年、物価が変わらない日本の方が異常なんだと思います。

 

風景写真撮るの忘れてました。

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前来た時のことあまり覚えてないので、街の変化はよく分からないですが、女性の服装について、一つ思い出しました。

 

10年前のホータンでは、女性がみんなヒラヒラした綺麗なスカートを履いてたんです。

ジーパン履いてる自分が急に恥ずかしくなって、慌ててヒラヒラしたスカートを買いに行ったんでした。

今のホータンはパンツスタイルの女性が多くて、ウルムチや他の都市とあまり変わらない感じ。

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そういえば、飛行機の中で、メイク動画を熱心に見ているウイグル女性を見かけました。

(日本人から見て)綺麗なメイクの女性が増えた気がします。以前はよく見た、眉毛をつなげるメイクは、まだ1人も見かけてないです。

情報の伝わるスピードが、何百倍も早くなったんでしょうね。

 

せっかくなのでバザールへ。

近道かな?と思って入った路地が、ものすごい規模の工事中でした。

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この一角だけでなくて、1キロ四方は全部壊して作り直し、という感じ。なんだこれ。

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ちょっと行ったら、すぐに謎は解けました。

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はいきた、風情区。

 

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はいはい。これを作りたいのね。分かりました。

カシュガルの老城と違い、こちらは原型を知らないので、客観的に見れます。

 

 

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これが舞浜とかお台場にあったら、あら素敵、センスいいね、と思うんではないでしょうかね。

 

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カシュガルでは頭に血が上って冷静に見れなかったですが、こっちの方が心なしか丁寧な作りな気がします。

 

式年遷宮や紙幣デザインの変更には、技術伝承の意義もあるというし、国のお金で職人の技術と雇用が守られるのならそれでいいのかなあ。

 

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上:建て替え前、下:建て替え後、らしい。

 

しかしやることが極端なんですよね。

 

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さて、開発地区を抜けた先には、バザール。

ホータンのバザールは週末だけらしいんですが、平日も少しは開いてるということで、雰囲気だけ見に来ました。

外観を撮ろうとしたら、入口に警備員か警察かよく分からんのがいっぱいいたので自重。

 

荷物検査を通して入ろうとしたら、身分証が必要とのこと。

 

新疆では、ホテルや地下街やスーパーなど、建物に入るときには必ず荷物検査が必要なんですが、身分証まで求められるのは、駅とかよっぽどの所だけです。

カシュガルのバザールも荷物検査だけでした。

 

偉い厳重やな、とビックリしてたら、私のパスポートを見た警備員が、どこかに電話し始めました。え、なにそれ。こんなん初めてや。

そしたら探してたボス的なおっさんが、たまたま近くにいたらしく、「この日本人を入れていいのかどうか」と、数分にわたって検討会。

 

入れてもらえることになったけど、なんだか気味が悪い。

まあいいや、化粧水とシャンプーが欲しかったんだ、と買い物を楽しんでいたら、さっきのボスが10mくらい後を素知らぬふりしてつけてきてる。わー。尾行されたの初めて。

 

面白くなって無駄に女性物売り場ばかりぐるぐる回って、バザール参観を終えました。

 

あー楽しかった、と帰ってたら、なんかまだ尾行されてる気がする。

ひょっとして、昨日の延長で、そもそもホテルから尾行してたとか? 昼飯前に行った長距離バスターミナルにもいたとか? そういえば警備員が電話してすぐに来たのも怪しかった。。。

と考え出したらどんどん怖くなってきたけど、周りの風景を撮るふりしてチラチラ振り返ってみたところ、どうもついてきてはないみたいです。

 

気のせいか。怖かった。

 

本当に気のせいなのかどうかは分からんですが、常に監視されているウイグルの人たちの気持ちが、少しだけわかった気がしました。

あの巨大地下街に入るときも、ウイグルの人たちは顔認証をされて、さらに男性はボディタッチの検査までされるんです。

 

昨日の夜、漢族の方の車に乗っているときは、何度も検問で顔を見られましたが、スルーでした。多分全員漢族顔だったから。

漢族っぽくない顔が乗っていたら、都度、停まらないといけないんだと思います。

 

細かい荷物検査は形だけで、ピーピーと警告音が鳴っても別に中身を改められたりはしないんですが、これは反抗する気力を失せさせる効果がすごく高い。

目立たないようにじっと息を潜めて生きることを、植えつけられる。監視され、抑圧されることが、こうやって日常になっていくんだと感じました。

 

ただ、ウイグル族だけではなくここで暮らす漢族にも、それなりに負担感はあるという記事も見ました。まあ、観光客でもこんな気分になるくらいだから、そうでしょうね。

漢族も荷物検査はされるし。漢族が一概に特権階級、というわけでもないみたいです。

さらに、新疆以外に暮らす中国人には、新疆でのこのような厳戒態勢は知らされてないのだとか。まじか。すごい情報統制力です。

 

今までいろんな記事を読んで、頭では理解したつもりでいたけど、やっぱり体感することって大事だなと感じました。

 

晩御飯は観光ウイグル街のチュチュレ15元。

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東京のウイグル料理屋の方が美味いです。